スマイルママコムでは子どもの病気情報を発信!「とびひ」

症状

とびひの正式な病名は伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)といいます。細菌が皮膚に感染することで発症します。かきむしった手を介して、水ぶくれがあっという間に全身に広がる様子が、”火事の火の粉が飛び火すること”に似ているため、とびひと呼ばれています。

とびひには、水ぶくれになるものと、かさぶたができるものがあります。

 

水ぶくれになるもの・・・水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)

虫刺され、湿疹、あせもなどを掻いたり、小さなけがでできた皮膚の傷に細菌が入りこみ感染します。皮膚にできた水ぶくれがだんだんと膿のように濁って、やがて破れると皮膚がめくれ、ただれてしまいます。かゆみがあり、そこを掻いた手で体の他の部分を触ると、体のあちこちに広がってしまいます。とびひの9割以上はこのタイプで、黄色ブドウ球菌によるものです。子どもは鼻をよくいじるため、鼻や目、口のまわりから症状が出始めることが多いです。夏に多い病気ですが、暖房が普及した現代は冬でも見られるようになりました。

かさぶたになるもの・・・痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)

小さい水疱や膿疱で始まり、すぐに黄色っぽくなり、急速に全身に広がります。最初から赤みが強く、リンパ節が腫れたり、発熱やのどの痛みを伴うことがあります。こちらは、化膿連鎖球菌が原因のことが多いですが、黄色ブドウ球菌との混合感染のことも多いです。季節に関係なくかかります。

 

いずれの膿痂疹も口の中など粘膜にはできないのが特徴です。

かかりやすい年齢

水疱性膿痂疹:7歳未満の乳幼児に多い。

痂皮性膿痂疹:年齢に関係なく、大人でもかかる。アトピー性皮膚炎をもつ人にできやすい傾向にある。

感染経路

接触感染

菌のついた手で他の傷口などを触ると簡単に感染します。ただ、傷口のない皮膚やバリア機能の弱っていない健康な皮膚に触れたからといって、すぐに感染するわけではありません。

原因となる黄色ブドウ球菌は常在菌で誰の皮膚にでも必ずいる菌です。子どもは、幼稚園や学校などで友達と肌の触れ合う機会が多いため、風邪などのウイルスと同じく、黄色ブドウ球菌などの細菌も常にやりとりしています。うつされた細菌が皮膚の表面にいるだけなら問題ないのですが、皮膚を掻きこわすなどして、皮膚のバリアが壊れたところから中に入りこんでしまうことでとびひになります。

予防法

この病気は人の鼻の穴や耳の穴、のどや皮膚などどこにでもいる常在菌が原因のため、湿疹、あせも、虫刺され、ちょっとした傷ができた場合に、掻きこわさないよう、爪を短く切っておくことが大切です。

夏に流行しやすいのは、汗をかきやすく不潔になりやすい、あせもや虫刺されが増える、高温多湿で菌が繁殖しやすいなどの原因が考えられます。そのため、特に夏は汗をかいたままにしない、シャワー浴をする、こまめに着替えるなどするといいでしょう。

また、あせもや虫刺されなどは短期間で治すことを心がけることが大切です。他にも、手洗いをしっかりする、鼻をいじらないなども予防に繋がります。できてしまった場合も数が少ないうちに専門医で治療を受けると早く治ります。

診断・治療

原因となる細菌を退治する治療をします。かゆみが強い場合は、かゆみをおさえる治療もします。主に、抗菌薬(飲み薬、塗り薬)がメインで、必要に応じて、抗ヒスタミン、抗アレルギーなどの飲み薬、また、患部を保護、炎症を抑える、亜鉛華軟膏など。

他の水疱のできる病気(あせも、アトピー性皮膚炎、水いぼ、虫刺されなど)と間違いやすいため、自己判断せず早めに受診することが大切。治りにくい場合は、皮膚科の専門医に診てもらいましょう。(とびひにはステロイドは効果がありません)

登園・登校の目安

出席停止が義務付けられている病気ではないですが、とびひの状態や通園、通学先の規則によるため、医師や担任の先生、保育士と相談しましょう。

家での過ごし方

患部に触らない様注意し、ひっかかないよう爪を短く切りましょう。原因となる細菌を減らすため、入浴して皮膚を清潔に保つといいです。そのときに、患部はこすらず、石鹸をよく泡立て、泡で丁寧に洗い、シャワーでよく流しましょう。湯船につかっていいかは医師と相談してください。タオルや衣類の共用は避けてください。

合併症

黄色ブドウ球菌が作る毒素が血液に入り込み全身に広がると、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群になる恐れがあります。0〜6歳くらいの乳幼児に見られるこの合併症は、高熱が出て、体がだるくなる、皮膚が真っ赤に腫れる、触れただけでも痛いなど症状が重く、入院して抗菌薬の点滴などの治療する必要があります。

また、化膿連鎖球菌が原因の場合は、治ったあとに腎炎を起こすことがあるため、もらった薬は最後まで飲みきりましょう。

その他注意事項

洗濯する際は、家族ととびひの子どもと別に洗う、タオルを別に使う、などの配慮が必要です。

ママの体験レポート

体験レポート「手足口病からとびひに」byH君ママ
【かかった年齢】4歳の夏

最初熱が出て、かかとの部分と口周り、右腕のひじにに水疱ができ、ヘルペス? 水ぼうそう??と思って皮膚科に行きました。水ぼうそうは、頭にも発疹ができるのが特徴らしく、手足口病のボツボツをひっかいたことからのとびひ、と診断。抗生物質の飲み薬1週間と軟膏、かさぶたがくっつかないガーゼをもらいお風呂上りに治療しました。きょうだいにうつらないように、洗濯物を別にしたり、小さな水疱も触らない様にバンドエイドやガーゼで多い、約1週間で良くなりました。手足口病との併発のため、足の裏等は、とびひの水疱なのか、手足口病の発疹なのか分からず、ひとまず靴下をずっとはかせていました。幸い家族にうつることもなく、きれいに治りました。

yuriスマイルママコム編集部ライター

投稿者プロフィール

専業主婦からママライターに転身。ママ向けメディアを中心に執筆。得意ジャンルは、バイリンガル子育て、育児、旅行など。2010年長女を出産。長女は、小2で英検2級を取得。新たにスペイン語に挑戦中。

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