
【第1回】
「うちの子、不登校かも?見逃したくない子どもからのサイン」
〜保護者の方へ伝えたいこと〜
近年増えてきている「不登校」。文部科学省の最新調査(令和4年度)では、小中学生あわせて34万人を超える子どもたちが不登校の状態にあると報告されています(文部科学省『児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査』(PDF)より)。
今回から4回シリーズでスタートするコラムの第1回目は「うちの子、不登校かも?見逃したくない子どもからのサイン」をお届けします。そのような状況のなかで保護者がどう向き合えばいいのかについて、加須でフリースクールを開校されたリライフアカデミア代表・岡戸かん太さんにお話を伺いました。
「朝から元気がない」
「体調不良を訴える日が増えた」
「行きたくない」とつぶやいた
そんな小さな変化に、あなたは気づいたのですね。それは、大切なSOSかもしれません。
そんな変化に、保護者であるあなたは気づいたのですね。
それは、誰よりもお子さんを大切に思っているからこそ気づけた、小さなSOSです。
「うちの子、不登校かもしれない」
そう思った瞬間から、不安や自責の念が押し寄せてくる方も少なくありません。
「私の育て方が悪かったのでは?」「甘やかしすぎた?」「仕事に追われていたから?」
でも、どうかお伝えしたいのです。
あなたは1人ではありません。そして、育て方が悪かったのでは決してありません。
お子さんのサインに気づき、真剣に悩み、何かできることはないかと行動していること。
それ自体が、親としてかけがえのない愛情の証なのです。
「不登校」と聞くと、どこか特別なことのように感じてしまうかもしれません。
でも、文部科学省の調査では、不登校の小中学生は全国で34万人以上。
中学生では15人に1人、小学生でも47人に1人が不登校の状態にあると報告されています。
つまり、今や不登校は「誰にでも起こり得る、ごく普通の出来事」になりつつあるのです。
また、不登校は「病気」ではありません。
文科省の定義では、「心理的、情緒的、身体的あるいは社会的な要因によって登校できない状態」とされています。
私たちはよく「心のガス欠」と表現します。
子どもは自分でも気づかないうちに、心のエネルギーを使い果たしてしまうことがあります。
朝起きられない、体調が悪い、学校に行こうとすると涙が出る……。
それは「怠け」ではなく、「限界」を迎えた心と体の自然な反応なのです。
今、必要なのは「頑張れ」という言葉ではなく、「安心できる休息」です。
そしてその最初の居場所になれるのは、ご家庭であり、あなたの存在なのです。
「なぜ行けないのか」—— 理由がわかれば解決できる、と焦る気持ちは当然です。
しかし、多くの場合、子ども自身にも言葉にできない思いがあります。
不登校の要因は、1つではなく複数の要因が絡み合っています。要因として多いのは以下の3つです。
・いじめや孤立、SNSでのトラブル
・授業についていけないことへの不安
・先生との関係、厳しい校則、集団生活のストレス
・ASDやADHDなど発達特性による困難
・HSC(ひといちばい敏感な子)による感覚過敏や共感疲れ
・起立性調節障害や不安障害など身体的・精神的な不調
・生活リズムの乱れやゲーム依存
・親子関係、きょうだいとの比較、家庭内の変化
「なぜ?」を追及するよりも、「どんなことがつらかったのか」とそっと寄り添うことが、何より大切です。
お子さんのことを想うあまり、心も体もすり減っていませんか?
「親なんだから、弱音を吐いちゃいけない」——そんなふうに思ってしまうかもしれません。
でも、本当は違います。
子どもを支えるには、まず支える側が元気であること。
そのためには、どうか周囲のサポートを受けてください。
学校のスクールカウンセラーや子育て支援センター、小児科、フリースクールなど、頼れる場所はたくさんあります。
相談することは、あなたとお子さんの未来を考える、前向きな一歩なのです。
不登校は「終わり」ではありません。
あなたがお子さんの小さなサインに気づき、この文章を読んでくださったことが、すでに大きな一歩です。
学校に行けなくても心配しないでください。
お子さんには、「自分らしくいられる場所」があります。
焦らなくていい。あなたとお子さんのペースで、一緒に進んでいきましょう。
このコラムが、あなたとお子さんの未来への小さな光になりますように。
「今踏み出す一歩は、未来への大きな一歩」となります。
さあ、未来を変えましょう。
株式会社リライフアカデミア
代表取締役社長 岡戸 かん太
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